カカオ豆からチョコレートへ!Bean to Bar製造工程を覗き見

はじめに|豆から板チョコへ——工程を一気に理解

私たちが手に取る一枚のチョコレート。その裏側には、カカオ豆から始まる長い旅路があります。産地で収穫されたカカオは、日本の工房に届くまでに乾燥や発酵を経て、そこからさらにいくつもの工程を通ってようやく板チョコに姿を変えます。
「Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)」とは、そんな“豆から板まで”の一貫製造を意味する言葉。大量生産では味わえない、カカオ本来の個性を大切にした手づくりのチョコレートです。

この記事では、その製造過程を5つのブロック(選別+焙煎/破砕・ウィノーイング/粉砕・精錬〜コンチング/テンパリング/成形・包装)に分けてご紹介します。どの工程も職人の五感が欠かせない、繊細で丁寧な手仕事ばかり。香り、艶、口どけ。すべてはここから生まれています。
一枚のチョコレートの向こう側にある“ものづくりの物語”を、ぜひ覗いてみてください。


選別+焙煎|良豆だけを残し、香りを起こす“火入れ”

一粒ずつ、味の未来を選び取る「選別」の時間

チョコレート作りの始まりは、カカオ豆の“選び抜き”から。世界中から届く豆の中には、発酵がうまくいかなかったものや、虫食い・割れなどの欠点豆が混ざっています。こうした豆を取り除かないと、後の仕上がりに渋みや雑味が残ってしまうため、職人は一粒ずつ丁寧に見極めます。見た目の色、艶、形…すべてを五感で確かめながら、良豆だけを残すこの工程は、まさに“おいしさの設計図”を描くような時間です。ここでの目利きが、香り立つチョコレートを生み出す第一歩になります。

香りを起こす、職人の“火入れ”

選別を終えた豆は、焙煎機のドラムへ。ここから、眠っていた香りをそっと起こす作業が始まります。カカオ豆は品種や産地によって香りの個性が異なるため、火の当て方ひとつで表情ががらりと変わります。強火で一気に仕上げれば香ばしさが際立ち、ゆっくり火を入れれば華やかな酸味が生きる——職人は、音や香り、豆の色づき具合を頼りに、豆の“声”を聞きながら焙煎を進めます。

破砕・ウィノーイング|殻を外して“ニブ”だけに

カカオ豆を砕いて中身を取り出す「破砕」の工程

焙煎を終えたカカオ豆は、いよいよ“中身”と“殻”を分ける段階へ。まず行うのが、破砕(クラッキング)と呼ばれる工程です。豆を細かく砕くことで、殻が自然にはがれやすくなり、次の作業がスムーズになります。焙煎の加減によって割れ方や香りの立ち方が変わるため、職人は豆の状態を見ながら機械の回転や力加減を調整します。

殻を吹き飛ばし、純粋な風味を残す「ウィノーイング」

破砕によって殻とニブが混ざった状態になったら、次はウィノーイング(winnowing)へ。これは、軽い殻を風の力や比重の違いで吹き飛ばし、食べられる部分だけを選り分ける工程です。香ばしく焼けたカカオの香りが漂う中、細かい殻が舞い、残ったニブだけが金属トレイの上に残ります。

粉砕・精錬〜コンチング|なめらかさと香りを磨く要

微粒子にして「口どけの素」をつくる、粉砕と精錬

焙煎と殻むきを終えたカカオニブは、次に粉砕(グラインディング)されてチョコレートらしいペースト状になります。この時点ではまだざらざらとした舌触り。そこで行うのが精錬(リファイニング)です。ローラーや石臼を使って微細な粒に整え、砂糖やカカオバターを均一に混ぜ合わせます。ここでどれだけ粒子をそろえられるかが、のちの口どけを左右します。

 職人は、見た目ではわからない“なめらかさの境界”を、手触りや香りの変化で感じ取ります。ざらつきが消え、カカオの香りがふっとやわらぐ瞬間——そこに職人の感覚が光ります。

揮発する酸味をやさしく飛ばす、コンチングの時間

粒度が整ったチョコレートは、コンチングと呼ばれる練り上げの工程に進みます。ゆるやかに温めながら長時間かけて撹拌することで、酸味のもとになる揮発成分をやさしく飛ばし、香りをまろやかに整えていく作業です。
チョコレートを練る羽根の音、漂う甘くビターな香り。これが工房の中で最も“チョコレートらしい時間”ともいわれます。温度と時間のバランスひとつで香りの輪郭が変わるため、職人は何度も状態を確かめながら、理想のなめらかさを追い求めます。

香りと口どけが融合する、仕上げの魔法

コンチングが進むにつれ、カカオの角が取れ、甘さと香りが溶け合っていきます。空気に触れながら練られることで、風味が“丸く”まとまり、同時にチョコレートの流動性も整えられます。これにより、型に流し込むときの伸びが良くなり、のちの艶やパリッとした食感にもつながるのです。
ざらつきが消え、香りが丸くなるその瞬間。それはまるで、素材が職人の手の中でひとつの音楽を奏で始めるような時間。ここでようやく、チョコレートは“食べる芸術品”としての姿を見せ始めます。


テンパリング|艶と“パキッ”を生むプロの温度帯

チョコの美しさは「温度」で決まる

チョコレートの魅力といえば、見た瞬間に感じるツヤのある表面と、口に入れたときの“パキッ”という軽快な音。これを生み出すのが、テンパリング(温度調整)という工程です。見た目の艶も、なめらかな口どけも、実はカカオバターの結晶構造を整えることで生まれます。チョコレートは温度が変わると結晶の形がいくつもできる性質があり、その中でも「Form V(フォルムファイブ)」と呼ばれる安定した形を作るのが職人の狙いです。

職人の感覚が光る、わずかな“糸引き”の見極め

テンパリングでは、温度を上下させながら、狙った結晶型をチョコレートの中に作っていきます。溶かして、冷まして、また少し温める——この繰り返しが、完璧な状態への鍵。職人は温度計だけに頼らず、スパチュラでチョコをすくい、糸のように流れるかどうかを見て判断します。糸が細く、途切れず、表面に光沢が出たら理想のテンパリングです。

艶・音・口どけ——三拍子がそろう瞬間

正しくテンパリングされたチョコレートは、型に流したあとも美しく仕上がります。固まると表面は鏡のように輝き、割ると“パキッ”という心地よい音が響きます。口に含めば、体温でゆっくりと溶け、まろやかな甘みが広がる。すべてはこの工程を丁寧に行うからこそ得られる結果です。

成形・冷却・包装+工房風景&紅茶ペアリング|仕上げとティータイム提案

型に流し込む、最後の“かたちづくり”

テンパリングで理想の温度と艶を得たチョコレートは、いよいよ成形のステップへ。液状のチョコレートを型に流し込み、軽く振動を与えて中に残った気泡を抜いていきます。ここを丁寧に行うことで、表面のなめらかさや艶の美しさがぐんと際立ちます。職人はチョコの流れや光の反射を確かめながら、わずかな気泡やムラも見逃しません。見た目の美しさだけでなく、口にしたときの“パキッ”という歯ざわりまで、この段階で決まっていくのです。

冷やし固めて、艶と香りを閉じ込める

型に流したチョコレートは、温度と湿度の管理された環境で冷却されます。急に冷やしすぎると表面が曇ったり、油脂が浮き出る“ブルーム”という現象が起きやすくなるため、工房では空気の流れまで丁寧に調整。ゆっくりと冷やし固めることで、テンパリングで整えた結晶構造を壊さず、艶やかでなめらかな口どけを保ちます。固まったチョコは型から外され、ひとつひとつ包装へ。包み紙の内側には、焙煎で生まれた香りがそっと閉じ込められています。

職人の手仕事と、紅茶で広がる余韻

工房の中では、選別の目利き、焙煎の香り止め、コンチングでの“丸み出し”、テンパリングの糸引きチェックなど、すべての工程が職人の五感でつながっています。手間を惜しまず作られた一枚のチョコレートは、そのまま食べても、紅茶と合わせても極上の時間を演出してくれます。
たとえば、ダージリンならフローラル系の70%カカオが軽やかに調和し、アッサムはナッツ感のあるチョコと合わせるとミルクティーのようなコクが楽しめます。アールグレイには柑橘の香りを持つチョコが合わせやすいです。


おすすめ商品とギフト提案

商品ラインナップ

商品名

内容量

テイスティングノート

価格

URL

ジャラクガナッシュ(生チョコ)

8個入り

なめらか×濃厚カカオ

¥1,960

https://jalak-yumex.net/collections/chocolate/products/1004

ボンボンショコラ 6個入り

6個入り

フルーツ×ナッツ×紅茶の個性派

¥2,760

https://jalak-yumex.net/collections/chocolate/products/%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B3%E3%83%A9-6%E5%80%8B%E5%85%A5%E3%82%8A

それぞれの特徴

ジャラクガナッシュ(生チョコ)

ジャラクのBean to Barチョコレートを贅沢に使った、なめらかな口どけのガナッシュ。インドネシア産カカオ豆を丁寧に焙煎・精製し、そこに生クリームとバターを加えることで、リッチでやさしい味わいに仕上げています。手土産や贈り物にぴったりなサイズ感で、冷蔵で届くため、ひんやりとした食感も楽しめます。

ボンボンショコラ 6個入り

6つの異なる味が楽しめる、華やかな一粒チョコレートの詰め合わせ。ベリーの酸味が爽やかな【アムール】、沖縄の塩が香る【塩キャラメル】、香ばしい【アーモンドキャラメル】、人気の【ピスタチオ】など、色・香り・食感が一粒ずつ異なります。見た目にも美しいチョコレートは、特別なギフトにぴったり。インドネシア産カカオの奥深さと素材の妙が詰まった逸品です。

 

商品一覧を見る https://jalak-yumex.net/collections/chocolate

 

まとめ|“一枚のチョコレート”に込められた物語

カカオ豆がチョコレートになるまでには、想像以上に多くの手仕事と時間がかけられています。選別で良質な豆を見極め、焙煎で香りを起こし、粉砕・精錬・コンチングでなめらかさと風味を磨き上げる。そしてテンパリングで艶と“パキッ”という心地よい音を生み出し、丁寧に型に流して包装する。
この一連の工程を通して、カカオの個性は繊細に引き出され、世界にひとつだけの味へと仕上がっていきます。Bean to Barのチョコレートは、ただの甘いお菓子ではなく、職人の感覚と情熱が宿る“作品”
紅茶と合わせてゆっくり味わえば、香りと余韻の広がりが一層深く感じられるはずです。今日のティータイムに、手仕事の温もりを添えてみてください。


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